バイオエナジーソリューションズ

技術の特徴

バイオガスの発生は、自然界に存在する「自然の」プロセスです。 酸素がなく、光がない環境下で、微生物に餌を与えれば、バイオガスが発生します。

バイオガスはタンパク質、でんぷん、糖質、油脂などを主原料として、微生物の力によって発生します。特に参考になるのは、草食動物の消化器系であります。 彼らは、適切な栄養素、ミネラル、エネルギーを得るために、微生物と共生しながら、セルロースやヘミセルロースを分解する必要があります。

私たちBESのバイオガスプラントでは、牛の胃の消化システムから着想した、バイオガス発生に最適かつ効率的なマルチステージ・プロセス(多段階方式)を活用しています。

草食動物の胃の中では、さまざまな微生物の働きによって、セルロース、ヘミセルロース、繊維などが消化され、複合デンプンや糖に変換され、動物が再利用できるようになります。

主役は、加水分解、酸性化、沈殿、メタン生成のための微生物と、水素と二酸化炭素、つまりメタンを蓄積する非常に特殊なメタン生成菌になります。

私たちBESのバイオガスプラントは、微生物が最適な環境下で育ち、そしてより良く機能して、メタン発酵を効率良く行うために、下記のマルチステージ・プロセス(多段階方式)で管理しています。

 

加水分解

加水分解プロセスでは、すべての炭水化物、タンパク質、さらにセルロースと繊維が微生物の加水分解によって分解され、脂肪酸、アミノ酸、アルコールに変換されます。

加水分解はバイオガス生産の初期段階で最も重要な工程ですが、従来のシングルステージ・プロセスのプラント(1つの発酵槽で処理)では事実上、無視されています。一方私たちBESのプラントでは、加水分解プロセスを実行することにより食品残渣や繊維の多い藁や肉牛の糞尿なども分解して活用できます。

 


酸性化

酸性化プロセスでは、加水分解で得られた脂肪酸が対応する微生物によってさらに分解され、酪酸、乳酸、アルコール化合物が生成されます。

加水分解が不十分だと、酸性化がうまくいかないか、部分的にしか促進しません。微生物は炭水化物、タンパク質などを利用できないため、加水分解の前段階に依存しています。基本的に、両プロセスは似たような環境とパラメータで実行されます。

 


酢酸化

メタン生成微生物に最適な飼料を準備するには次の段階、酢酸化が必要です。

ブタン酸と乳酸は、酢酸生成微生物によってさらに酢酸に還元され、副産物として二酸化炭素と水素が生成されます。

 


メタン化

最終段階では、メタン生成微生物が酢酸からメタンを生成し、非常に安定した、微生物にとって最適な条件下で、水素と二酸化炭素を生成します。

酢酸とメタンの生成は非常に繊細なプロセスであり、微生物が最大の効率を達成するためには環境管理がとても重要です。

原料投入を含むあらゆる妨害は、メタン生成の短時間の減少を引き起こします。微生物の再現性は比較的長く、新しい条件にはゆっくりとしか適応できないからです。

 


上記の説明から、従来のシングルステージ・プラントが微生物にとって決して良好な環境を提供しないことがわかります。

従来のシングルステージ・プラントでは、メタン生成に敏感な微生物を重視しプロセス条件を管理しています。一方、加水分解と酸性化に貢献する微生物は、こういった条件下で全く機能しません。

これが、従来のシングルステージ・プラントと私たちBESのマルチステージ・バイオガスプラントとの根本的な違いです。

従来のシングルステージ・プラントでは、加水分解と酸性化に働く微生物による、バイオガス生産の潜在能力を十分に発揮できません。特にセルロースや繊維を多く含む原料の場合は深刻な問題です。

私たちBESのマルチステージ・プラントでは、すべての段階において、微生物にとって最適なプロセス条件のもとで、セルロース、ヘミセルロース、繊維を含む原料を最大限活用し、バイオガスへの高効率な変換が保証されています。

私たちBESの多段式でコンパクトなバイオガスプラントでは、2段だけでなく数段でも機能し、それぞれの微生物に最適な条件を提供することにより、バイオガスやメタンの最大生産量を保証します。